小児脳腫瘍カンファレンス
小児の脳腫瘍の治療向上のために
会長挨拶
小児脳腫瘍カンファレンス開催にあたり
皆様、初めまして。 この度、小児脳腫瘍カンファレンスの代表世話人を担当させて頂くこととなりました、北里大学脳神経外科の隈部俊宏でございます。 この会は、2010年から22回開催されてきた関東小児脳腫瘍カンファレンスと、2002年から19回開催されてきた関西地区の小児脳腫瘍治療研究会が合体したものです。稀少疾患である小児脳腫瘍の臨床症例を対象とし、具体的な深いdiscussionと、最新の知識を得ることを目標とした、新たな日本全体のWEBカンファレンスです。 これまで開催されてきた関東及び関西小児脳腫瘍カンファレンスは、関東・関西地域という広範囲で最も人口の多い領域に存在する小児科・小児腫瘍科・脳神経外科・放射線科・病理を中心とした多職種の検討会であり、実際の症例を具体的に熱く討論することができる重要なものでありました。さらに特別講演により会長が推薦するその時期のトピックを勉強することができました。 このようなmultidisciplinaryな会は、日本小児血液がん学会・日本小児神経外科学会・日本脳腫瘍病理学会・日本脳腫瘍の外科学会・日本脳神経外科学会総会・日本脳腫瘍学会等でもなかなか行うことができません。その学会に所属していないために参加できないといった問題も存在します。従って多方面の人間を受け入れる、このようなコンセプトの会合は、小児脳腫瘍の臨床・研究を発展させていく上で重要な意義を有していることは間違いありません。 しかし昨今のコロナ禍と企業からの支援が得られなくなったことにより、関東・関西ともに現地開催し、communicationの場を持つことができなくなりました。我々は今、現地で直接顔を見て話をするということが、どれだけ人間にとって大事なことなのかあらためて認識しています。一方では、WEB会議という方法を手に入れたことにより、移動距離をゼロにして瞬時にdiscussionできるようになったことは、大きな進歩とも捉えることできます。 この小児脳腫瘍カンファレンスは、すべてをWEB開催することにより、日本国中の興味を持った先生が自由に参加できることを主眼に置きます。 各カンファレンスの開催方法は、担当の会長に任されておりますので、それぞれ特色のあるものになるはずですが、この会の目的が各症例に基づいた、その疾患群の具体的な問題点の検討にあるため、できるだけ質疑応答の時間は長く作ろうと考えております。手術・病理・放射線治療・化学療法内容に関する深いdiscussionを行うために、抄録を早く作っていただき、病理組織を事務局に早い段階で送ってもらい検討させてください。当日病理担当医からまとまったコメントとその疾患に関する病理診断のポイントも報告して頂く予定です。また治療内容に関しては、各領域のspecialistからのコメントを準備致します。 以上、開催を来年3月に控えた段階での代表世話人としての考え方をまとめてみました。 どうかこの会が発展し、半日が1日、さらにもっと時間をかけたもので、しかも濃密なものになることを祈念しております。そして各症例において提起された問題に対して、病態・治療方法といった最新の知識を含めて、参加した先生方の心に刻み込まれ、それをきっかけに様々な臨床研究計画のアイデアが積み重なっていって欲しいと願っております。 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
- 代表世話人
- 北里大学 脳神経外科
- 隈部 俊宏
令和4年10月31日